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書名 高精度分子設計と新素材開発
機能化学の新展開をめざして
シリーズ・ナンバー 季刊化学総説 46
日本化学会 編
企画・編集担当者 時田澄男、西本吉助、吉田元二、田辺和俊、松岡 賢
サイズ/頁 B5判/240頁
ISBN [刊] ISBN 4-7622-2951-2 [00.7刊]
価格 本体価格 4800円
 

分子設計の有用性は広く認識され、最近のコンピュータの発達とも相まって、これを新素材開発に応用しようとする研究者は非常に増加している。しかしながら、合成化学者をはじめとする実験化学者が計算機ソフトウエアを利用しようとすると、種々の問題に直面するのが実状である。これらの問題は、当該ソフトウエアの開発趣旨や特徴を理解することによって解決しうる場合が多いが、複雑でしかも多種多様なソフトウエアの相違を解説した成書はほとんどない。本書では、理論化学における最近の進歩を分子設計の高度化という観点で整理し、あわせて種々の近似法の特徴と問題点についても具体例に即してとりまとめ、これからの新素材開発における新しい指針を利用者の立場から提供する。


まえがき

I.分子設計における基本的な考え方

1.新素材開発のための分子設計 田辺和俊
 1.新素材発見の契機
 2.コンピュータ利用の必要性
 3.コンピュータ利用の目的一その1
 4.コンピュータ利用の目的一その2
 5.コンピュータ利用の目的一その3
 6.コンピュータ活用の分野一その1
 7.コンピュータ活用の分野一その2
 8.コンピュータ活用の分野一その3
 9.コンピュータ活用の分野一その4
 文献

2.分子軌道法(M0法)の基本的考え方  西本吉助
 1.M0法と化学
 2.謹でもできるM0計算
 3.原子・分子の世界を記述する方程式一Schrodinger方程式
 4.原子一不思議なミラクル粒子
 5.分子の波動方程式一電子の運動と原子核の運動の分離
 6.M0法のあらまし
 7.単純M0法のすすめ
  7.1.LCAO−MO法で得られるMOの数
  7.2.二中心MOと化学構造式
  7.3.三中心M0と化学結合
  7.4.多中心多電子結合
  7.5.HOMO−LUMO理論と分子の反応性一特に立体選択反応
  7.6.基底状態と励起状態で化学結合はどのように変わるか
 8.分子の電子スペクトルを計算するための単純M0法
 9.いろいろなMOの特徴と使い方
10.今後のMO計算
付録 MO法を理解するために必要な量子力学の公理と,いくつかの有用な定義

3.フロンティア軌道論について 山邊信一
 1.メチルビニルエーテルヘのプロトン化
 2.フランのプロトン化
 3.DieIs−Alder反応とフロンティア電子論
 4.Diels−Alder以外の環化付加反応とフロンティア軌道論一トロポンとトロポチオンについて
 5.ケテンとオレフィンの[2+2]環化付加反応とフロンティア軌道
 6.ケテンとシェンの[2+2]付加とフロンティア軌道

4.分子のトポロジーと分子設計 細矢治夫
 1.HM0法とFEMの現代的意義
 2.直鎖のポリエンの自由電子模型
 3.HM0法の定式
 4.電子配置と全π電子エネルギー
 5.エネルギーの状態密度
 6.トポロジー的対称性
 文献

II.種々の計算化学的手法

1. 経験的および半経験的分子軌道法 時田澄男,榊 茂好
 1.PPP分子軌道法
 2.拡張Hucke1分子軌道法
 3.拡張Hucke1法の発展一相対論効果の考慮と核間反発の補正
 4.ZD0近似とCNDO−MO法,INDO/S法
 5.MNDO,AM1,MNDO−PM3,SAM1法
 文献

2.ab initio分子軌道法  永瀬 茂
 1.ab initio分子軌道とは
 2.基底関数について
 3.電子相関について
 4.ポテンシャルエネルギーの微分計算
 文献

3.密度汎関数法の特徴と実際の応用  小林久茂
 1.密度汎関数法の発展とプログラム開発の歴史
 2.DF法の概要
 3.第3世代の密度汎関数法の改良点
 4.HF法とDF法の違い
 5.ハイブリッド法について
 6.まとめ一DF法の今後
 文献

4. SAC−CI法の理論と応用励起状態の理論  波田雅彦,中辻 博
 2.SAC/SAC−CI法
  2.1.SAC法
  2.2.SAC−CI法
  2.3.実際的な解法
  2.4.SAC−CISD法の計算例
 3.理論の発展
  3.1.SAC−CI(general-R)法
  3.2.高スピン状態への拡張
  3.3.MR−SAC法
 4.励起状態の化学への応用
  4.1.ポルフィリン化合物の励起状態
  4.2.ニッケルカルボニル錯体の光解離反応
 文献

5.分子力学法  小川桂一郎,大澤映二
 1.原理
 2.ソフトウェアの選択
 3.分子力学法を利用した研究から一結晶中の有機分子に見られる異常な結合長について
 4.結合経由軌道相互作用によるC−C結合伸長はない一計算化学の盲点
  4.1.理論は思い込みである
  4.2.C−C結合長を制御できるか?
  4.3.理想的なテストーC60 2量体
  4.4.C−C結合を支配する要因はs性である
 文献

6.分子動力学法  中西浩一郎,岡崎 進,中川節子
 1.MD計算法
  1.1.運動方程式の数値解法
  1.2.力計算の効率化
  1.3.アンサンブルの多様化
  1.4.非平衡系のMD
  1.5.生体高分子のMD
 2.分子間相互作用
  2.1.二体ポテンシャル
  2.2.多体ポテンシャル
  2.3.生体高分子のポテンシャル
 3.汎用プログラム
 4.MD法の応用例(1)超臨界流体
 5.MD法の応用例(2)生体膜
 文献

7.モンテカルロ法  北浦和夫,三上益弘
 1.モンテカルロ法
 2.ポテンシャル関数
 3.マルチミニマム間題
 4.マルチカノニカルモンテカルロ法
 文献

III.分子設計から材料設計へ

1.材料設計における基本的な考え方  吉田元二,川添良幸
 1.基本的な考え方
  1.1構造物性相関
  1.2計算化学的アプローチ
 2.シミュレーションによる新素材設計の可能性
  2.1.フラーレンを使った新素材
  2.2.欠陥のある結晶のシミュレーション
  2.3.現状の近似の限界とその改善  
 3.サイユンティフィクビジュアリゼーション
 文献

2.分子性結晶の構造予測一MDCPの開発とその応用  平野恒夫,田島暢夫,古庄 勝 
 1.MDCP(分子性結晶の構造予測プログラム)の開発
 2.テスト計算
 3.非線形光学材料の結晶構造予測
  3.1.初期構造の発生に関する工夫
  3.2.実用的なSHG材料への適用
  3.3.テトラチアベンゾキノンの自己集積
 4.その他の応用
 5..非経験的ポテンシャル関数を用いた結晶構造予測一CO2分子性結晶の例
  5.1.ポテンシャル関数のテスト
  5.2.CO2の圧力誘起相転移
 6.まとめ
 文献

3.高次機能色素材料の設計  松岡 賢
 1.分子レベルから材料レベルヘ
 2.高次機能色素材料
 3.色素分子の自己集積化と物性
 4.ジシアノピラゾン系機能性色素材料
 5.将来展望
 文献

4.液晶の分子シミュレーション  鳥海弥和,吉田真史
 1.実在液晶分子のシミュレーション解析
  1.1.実在分子集合系のMD,MC
  1.2.界面配向のMDシミュレーション
 2.実在液晶分子のM0とMM一液晶分子の形を探る
  2.1.液晶分子のM0,MM計算
  2.2.反強誘電性スメクチック液晶分子のM0解析
 3.モデル液晶分子のMD,MC一秩序形成の起源を求めて
 3.1.剛体モデル
 3.2.Maier−Saupeモデル
 3.3.Gay−Berneモデル
 3.4.遺伝的アルゴリズムによるGay−Berneモデルの一般化
 3.5.ビーズモデル
 3.6.長時間ダイナミクスのシミュレーション
 文献

5.高分子材料の設計一高分子の電子状態の計算  今村 詮
 1.非周期性高分子の電子状態の計算
 2.Elongation法とは
 3.Elongation法の応用例
 4.今後の発展
 文献

6.触媒の設計  高羽洋充,久保百司,宮本 明
 1.N0x還元反応の反応機構
 2.触媒燃焼の反応機構
 3.ゼオライト中における有機分子の分離過程ダイナミクス
 4.擬似生体触媒の分子設計
 5.フロンの吸着・回収技術の分子シミュレーション
 6.ゼオライトの結晶成長過程
 7.バーチャルリアリティ触媒設計支援システムの開発

7.フラーレンの理論設計  渋谷泰一,相原惇一
 1.フラーレンの電子状態と理論計算
 2.フラーレンの分子設計
  2.1.フラーレンの熱力学的安定性
  2.2.フラーレンの速度論的安定性
  2.3カーボンナノチューブの安定性
 文献

8.並列コンピュータの発達と計算化学一バーチャルマイクロスコープの開発を目指して  長嶋雲兵,高田俊和
 1.並列コンピュータの現状と課題
 2.分子軌道計算プログラムの並列化
 3.バーチャルマイクロスコープの開発を目指して
 文献

 
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